ゆったりと、ゆっくりと。
久々に見逃せない連ドラ、あまちゃん。
今後の女優イメージが心配になるくらい
ハマり役のヒロイン。能年玲奈。
大失恋の回なんかは
15分では足りないくらいで
彼女のハツラツとした躍動感、
生命感にやられているMARE主 なのだ。
* * *
早くも今年3回目の帰省。
母の十三回忌を終えた頃から
持病が悪さをし始め
一人暮らしに支障が出て来た父。
介護ホームに入園した。
仕切りのない園内は、真っ白で殺風景。
危険回避の為なのか、余計な家具は置かれていない。
ぐるぐると徘徊するおばあ。
椅子に座りながら一点をみつめるおじい。
介護人の大声が聞こえる。
館内放送のボリュームは
ガサガサしていて落ち着かない。
他の入園者と一緒に、親父はホールにいた。
壁にテレビが掛けられ、皆がそこに集まっているのだ。
面会の僕には全く興味を示さず、
じっと、自分の時間の中にいる。
ゆったりと、ゆっくりと。
親父の隣に座ったとたん、
頭上のテレビから軽快なあまちゃんの曲が流れて来た。
大失恋したアキの話。
青春の中のアキ(ちょっと恥ずかしい言い回しだけど)
なんだか不思議な対比だった。
* * *
部屋に戻って横になる父。会話が続かない。
彼は僕の質問に答えるだけで、
自分から口は開かない。
可愛い子はいるかい?と、冗談で聞いてみた。
いるわけないべ、こんなとこに。と、
即答で応える彼に笑ってしまった。
もうチェックしてるんだね…
ハツラツとした躍動感は無いけれど、
根本的な生命感にびっくりした一瞬だった。
ピカピカはいませんが、しわくちゃは沢山います。MAREBITO
10年も前の話だね。まだ「のん」じゃないし。※初稿20130605