出逢いと別れ
骨董市の鉄則を忘れる事がある。
「 迷ったら買う事 」
さんざん迷ったあげく後で来ます。
ちょっと、考えます。と、
店主に挨拶し、別ブースへ。
歩きながら、やっぱり買おう!と
はやる気持ちを抑えつつ
早足で戻るのだが、そこにはもう
「 考えてから買おう 」はいない。
数分も経っていないのだが
即決な迷わぬ人によって
連れ去られたのだ。
あぁ悲しい。
「 考えてから買おう 」が
佇んでいた、その台には「無の残像」が
残っているだけだった。

▲ 石橋を叩いて渡っていた主の、
20代の頃のかけ声は見る前に飛べ!だった。
※初稿20101116