ぼくが犬だったら、
背後に感じるその威圧的存在感、
なにやらブツブツ独り言…
人目を気にせず、自分の世界にいる男。
マンション前の歩道でトレーニングをしている。
そもそも、こんなところで全力疾走するなよ!
バイクに防雨カバーを掛けていると
こちらに向かって走ってくる!(うわっ!)
暴走列車なのか!と、思うくらいの勢い!
背中をかすめて、走りさる…
ゼイゼイと喘ぎながら、天を仰ぐ輩。
そして、柔軟。
そして、独り言。ブツブツ… (こわ)
自分のトレーニングに酔っている感じ。
何やらの独り言も自己陶酔の世界。
僕の存在は、彼の中に見えていない。
その無神経さに腹が立つ!
僕の名前は太だが、僕が犬でなくて良かった。
彼が犬の僕の方へ走ってきたら、
その後を追いかけるに違いない。
狩猟本能むき出しになるに違いない。
忠実な羊追いになること間違いなし。
なぜ、ここで走るのだ?
見えてないのか?周りが?
ん?なんか、知ってるぞ。
ああ、あれか。あれだ!
わざわざ皇居を走る人たちだ。
うむ。あそこも猟犬多発注意地帯。
俺犬なら噛むぞ!ワン!
初稿20130904