亡き父への手紙 | MAREBITO古道具

亡き父への手紙

亡き父への手紙 2014.0620

実家片付けの為、帰省。

父は施設に入っていたので、
少しずつ、本気の整理整頓開始。


高校卒業まで住んだ実家は
更地になるのだ…
冬が来るまでの猶予。


机の中から手紙の束が出て来た。

可愛い封筒。
癖のある10代の女の子が書く字で親父宛。
親類の中で一番好きな伯父さん…
お願いがあります…
結婚式の時には一緒に歩いてください…

うすら覚えだけど内容はそんな感じだった…


目にしたとたん僕は、えらく泣いてしまって
すぐに引き出しへ戻した…

それは早くにお父さんを亡くした
従妹からの手紙だった…
彼女の願いは叶わず
そのすぐ後に病気で他界。
生きていたら40半ば。

もう、二人ともこの世にいない…
亡き父に来ていた、亡き彼女からの手紙。



これは駄目だ、机の整理は兄に任せよう…

北海道の初夏。
夜は蛙の鳴き声がやかましい。
ちょっと冷えるから、窓は閉めて寝よう。
明日は早くから車庫のカタズケだからな。


初稿 2014.0620

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