狼狽し自分を見失う事態 | MAREBITO古道具

狼狽し自分を見失う事態

狼狽し自分を見失う事態

習慣とはお恐ろしや。

時として、それが崩れると人は狼狽し、
自分を見失う事がある。
彼もその一人。

彼の言葉はむなしく宙に彷徨う…


露店では電気が使えず、
扇風機の良さが引き出せないが、
赤坂蚤の市は電気が使える。

なのでガシガシ首を振り、
ビュンビュン風を送るMAREBITOの扇風機。
「音も静かですよ!」の説明はいらない。
見てもらえば良いのだ。


そんな時、お客さんが声をかけてきた。
ブンブン回っている扇風機を指差しながら、
すみません、この扇風機、動きますか?と。





彼はいつも、動いていない扇風機を見ては
店主にそのように声をかけていたのであろう…

え?


扇風機の風に揺らされながら、
ひらひらと宙に舞う彼の言葉であった。


初稿20150615

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