さだまさし中
わが家では「雨やどり」のことを
「さだまさし中」と言う。
40代後半の方は
ピンと来るかもしれない。
さだまさしの曲のもじり。
自転車通勤中、ゲリラ豪雨に襲われた。
江戸川を渡る途中だったのだが、
中洲の高架下で運良く「さだまさし中」が
出来たのだ。
びしょびしょの高校生も高架下へやって来た。
ママチャリのサドルを立て、
イヤホンを外し豪雨の収まるのを待っている
メガネの高校生。
制服はびしょ濡れだが爽やかだ。
使い古されたボロ雑巾の様な
僕とは大違い…
たいていの雨やどりが
そうであるように
雨雲を見送るのはかなりの退屈作業。
( さだまさし中は忍耐が必要なのだ )
村上春樹風の言い方で
豪雨は一向にやむ気配はない…
携帯で誤魔化すMARE主だったが、
ふと、後ろを振り返って…
ぷっ!吹き出してしまった
メガネの高校生。
スタンドのママチャリにまたがり
全速力で自転車を漕いでいる!
後輪が勢いよく回転している!
音楽にあわせてか、カラダが揺れている。
意味もなく、ペダルを漕ぐ高校生。
…
若さと退屈のせめぎ合いを見たMARE主。
無駄なエネルギーを消耗させているパワーだ。
エネルギーを燃費させないと、
若さは死んでしまうのだね。
うむ。

自分が今、中学生ならば
同じ行動をとったかもしれない。
初老の今、無駄にエネルギーを
消耗しないようにしている自分。
彼の行動に雨やどりしたいくらいだ。
※初稿20120810