不釣り合いな香り
息を切らしながら、
よくこんなに集めましたよね…。
それはお褒めの言葉ではなく、
明らかに場違いなところに
来てしまったという、
OLさんの第一声だった。
表の看板「古道具展」を見て
エレベータなしの5階(徒歩5階)に登頂されたのだ。
ここには、あなたの探している “おされーなモノ” はないですよ。
彼女の目は泳いでおり、
帰るタイミングを見計らっている。
別に僕は偏狭な男ではないので、
きびすを返してもらっても全然かまわなかったのに…
自転車、短パンで銀座へ。
“ おされーな香り” を買いにいくMARE主。
ショーウインドウに整列されている “ おされーな香り” 系。
MAREBITOと違う。
汚れて錆ついたガラクタは
決して並んでいない。( うーん。鍵までかかっているぞ! )
場違いなMARE主に優しく
声をかけてくれるオサレ店員さんだが
OLに対してのMARE主と
同じ目をしていたのでは
ないだろうか?
ここには、あなたの探している “ふるどーぐ” はないですよ。と。
タイトスカートな彼女。短パンの我。
僕はひるまないぞ!
僕はきびすを返さないぞ!
おこずかい貯めて “おされーな香り” を
買いに来たのだからな。
加齢臭を撃破するんだからな。
おらおら。
▲ 香りは販売出来ませんが、記憶の匂いを売っています。MAREBITO。
※初稿 20120713