チャダ先輩の本 | MAREBITO古道具

チャダ先輩の本

チャダ先輩の本 2015.0815

想像力は男子を救う。
田舎の中学生を!

インターネットなんて無い時代。
ネットどころか、町に本屋は一軒。
困った事に近所のおばちゃんが店番なのだ。
もう、想像力で勝負しかない。

そう、ソウゾウ 力。

そのソウゾウ 力を粉砕するものが現れる。
みんなの夢の箱、田舎の中学生の箱。
ソウゾウ 力の向こう側へ行ける箱が…


野球部ひとつ上の先輩「チャダ」
ベトナムからの留学生ではない。
純日本人。先輩で只一人補欠だった。
後輩からもいじられタイプの先輩。
野球は上手くなかったが
行動力は早かった。

そう、自動販売機。ソウゾウ 力の箱へ。


夏休みも終わろうとしていた。
僕とたかし君で、
箱の前を何度も往復していると
前方からチャダ先輩が自転車でやってくる。
身を隠すわれら…
チャダ先輩も我らと同じ行動をとる。
箱の前を何度も何度も往復するのだ。

何度も、何度も。

上段を見て。Uターン
中段を見て。Uターン
下段を見て。Uターン

ガソリンスタンドの陰から、
見られているとも知らずに、
繰り返される振り子の様な往復。
しかる後、箱の前で急停車!
すかさず、小銭を投入!
赤いランプが点滅!
ウイーン、バタン。ドサ。
シャツをまくり上げ、お腹にブツを抱え込んで
猛ダッシュで走り去ってた、チャダ先輩。

練習でも見せない、
華麗なフットワークが展開された!
これは、レギュラーじゃないか!チャダ先輩!

我々よりも一足早く
ソウゾウ 力のあちら側へいってしまったのだ…


うーむ。

想像力を奮い立たすモノ、沢山あります。MAREBITO


初稿 2015.0815

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