宙に浮く言葉 | MAREBITO古道具

宙に浮く言葉

宙に浮く言葉

MAREBITOの商品は用途不明なものが多い。
手に取って首を傾げるお客さんに説明を投げかける。
それは○○○○の部品ですよ。と
しかし、我の言葉を無視し、首を傾げたまま
商品を凝視している。ん!またか。
やっちまったな…



彼女は中国の人で日本語がわからないのだ。
だから、無反応。仕方なし…
僕から発せられた説明は雑踏の中、むなしく宙に浮き、
行き場も見失って、ただただ漂うだけ…

運悪く、一部始終目撃していた、
後ろのおっさんと目が合った。
顔が真っ赤になる程、恥ずかしい思いをする。
滑らされたなぁ…


*   *   *


つたない中学英語で外人を笑かそうとしている。
いつか使おうとしていた、パターンがある。
いかにもハンサムな外人。
連れに赤いワンピースを着た、派手な日本人女性を連れている。
ベッカムに似ている、彼。
本当は似てはいないのだが、それでもいい。

アーユーベッカム? で、いいのだ。
それで笑かそう!

意を決して、ベッカム似(似てないけど)に
果敢に英語を浴びせかける。
ベッカムはディフェンス(古道具)に夢中で
我のキラーパスに無反応だ。

うわあ!また、やってもーたか!
その瞬間、隣の赤ぴっちりワンピ女性がふっ、っふ… と
サングラス越し、小さく冷笑していた…
サポーターを笑かした!



接客は難しい。

コミュニケーションはなお難しい。
国際問題にかかわらず、まず笑う事が大切なのだ。

外人に言わせたい「おー まぁ があわぁ!」をMAREBITOの商品で。


初稿20150615

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